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お知らせ

歴史を
静かに語る街

 中国地方一の大河・江の川は、島根県のほぼ中央にある江津市で日本海にたどり着く。その河口に臨むここ江津本町は、古くから陸路、海運、舟運の要所であり、江の川と共に歴史を紡いできた。南北朝時代より江の川舟運で山陰と山陽の物流を担う発着地として、江戸時代においては天領石見銀山と浜田藩領を結ぶ旧山陰道の中間地点として、海側では北前船の寄港地で天領米や石州瓦などの積出港として、多くの人と物が集まり、街は賑わった。明治・大正期には本町に官公庁も置かれ、名実ともに江津の中心地となった。
 
 現在の江津市の中心は鉄道と国道の沿線に移り、江津本町には静かな時間が流れている。静かな街並みを見歩くと、かつての廻船問屋の蔵屋敷は創業以来脈々と受け継がれ、その赤瓦の屋根は今も輝きを放っている。荷物を運ぶ牛馬をつなぐ際に使われていた「鼻ぐり石」や、幕末には長州軍が進駐し本陣が置かれたなど、今でもその名残が残る。寺社仏閣の数の多さは、本町に集まった様々な人の精神的拠り所となったことが想像される。明治大正期建造の旧江津町役場と旧江津郵便局は国の登録有形文化財となり、この街のシンボル的存在となっている。 

 

旧江津町役場 (国の有形登録文化財)
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旧江津町役場 (国の有形登録文化財)
二楽閣 (じらっかく) 跡
旧江津郵便局 (国の有形登録文化財)
鼻ぐり石
山辺神社
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まちづくりを
志す人

街並みの景観維持
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街並みの景観維持
賑わいの創出 街歩きイベント「ふらり fula:Re」
ふるさと教育 遠足見学受入れ
空き店舗のリノベーション活用
文化的発信拠点の整備 旧江津郵便局ギャラリースペース
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静かな街並みとなって数十年、本町では人口流出や空家増加など衰退の色合いが濃くなっていた。そんな中、1999年に視察に訪れた建築士会が江戸、明治、大正、昭和の建物が残るこの街の歴史的価値を認め、2002年には日本建築史学会会長であった故・西和夫先生にも高く評価された。自分たちの街を見つめ直すきっかけとなり、2003年に住民有志により「本町地区歴史的建造物を活かしたまちづくり推進協議会」が発足。2005年には「まち並み景観整備基本計画報告書」を作成し、江津市の景観形成重点地区に指定。2006年に地域住民約300世帯による「まちづくり住民協定」が締結され、まちづくりの意志が固まった。

本町地区歴史的建造物を活かした
まちづくり推進協議会

設 立:2003年7月
代 表:会長 吉田 茂
会員数:267人 (2023年9月時点) 
所在地:島根県江津市江津本町
【受賞歴】
2013年 第21回 しまね景観賞 奨励賞
2014年 第28回 手づくり郷土賞 一般部門
2017年 第13回 住まいのまちなみコンクール「住まいのまちなみ賞」

アクセス

公共交通機関でお越しの場合
JR江津駅から徒歩20分・タクシー5分

自家用車でお越しの場合
山陰道 (江津道路) 江津ICから車で10分